- 朝起きられなくて学校に行くことができない
- 起きると同時に頭痛で何もすることができない
- 一日中だるくて外出すらできない
- 食べなくてもおなかが痛いから、なおさら何も食べられない
- 勉強がしたいのに集中力が全くなくて覚えられない
- 常に動悸がして心臓が痛い
これらの症状は、当院に来院した起立性調節障害(OD)のお子様方が訴えていた主な症状です。
細かい症状を挙げれば他の症状もあると思いますが、大体はこのような症状で”一般的な普通の日常生活”を送ることが難しくなっていますよね?
当院には今まで起立性調節障害(OD)ということで来院された方が54名(2018.3月現在)いらっしゃいます。(※西の地域に出張もしていましたが、そこの方々はカルテの数に入れていません)
来院されたばかりの人もいますが、現在の成績は以下のような状態です。
2018/03/16現在 | |
完全に症状がなくなって、日常生活を送っている方 | 9名 |
何らかの症状は多少残っているが、学校への復学や普通の日常生活を送っている方 | 14名 |
現在施術継続中 | 8名 |
1~2回の来院後、来院しなくなった方(3か月以上音沙汰がない方) | 23名 |
一番下の1~2回の来院で来なくなった方のうち13名ほどが初回の来院以降3か月以上来院されていない方の人数です。(今後来院される可能性はありますので、この数字は変わるかもしれません)
- 提案されたサプリメントが多かった
- 心理的な問題があると初回から指摘された(治りたくない理由があるとしたら何が考えられる?という問いかけで泣き出してしまった方々)
- 全く関係ないような原因の治療を勧められたから(私の検査ではその治療が必要と出ているが、そんな治療はODには必要ないという自己判断をされている方々)
- 様々な理由で私からお断りさせていただいた(私の方で信頼関係が構築できないと判断させていただいた方々)
- 私との相性?
などでしょうか。
”お試しで施術を受けてみたい””継続して施術を受ける気がない””ご本人及びご家族がしてほしい施術を求めている”ということであれば、時間的・金銭的なロスになりますので、来院は見送ったほうが良いかもしれませんね。
比較対象として以前の数字も下に記載しておきます。
2017/07/14現在 | |
完全に症状がなくなって、日常生活を送っている方 | 7名 |
何らかの症状は多少残っているが、学校への復学や普通の日常生活を送っている方 | 8名 |
現在施術継続中 | 18名 |
1~2回の来院後、来院しなくなった方 | 8名 |
現在来院継続中の方々も、何らかの症状の改善は全員あります(睡眠が改善してきた・腹痛が軽減してきた等)。
平均的な治療期間は8ヶ月ほどになります。また、いわゆる子宮頸がんワクチンの副反応といわれる方々で起立性障害という診断を受けている方もいらっしゃいますが、上記には入っていません。(入れれば上表の上2項目の数字が多くなります)
時間さえいただければ、それなりに来院されたクライアントさんのお手伝いは出来ているかな?という感じです。
当院にいらっしゃる前に受けていた治療について
当院をファーストチョイスで来院される方はほぼ0なので、大抵下のような治療や療法を他の病院や治療院で治療を受けた後、効果がみられないので来院される方がほとんどです(よくなっていたらうちに来院されませんよね)。
メトリジンの処方・統合医療での栄養療法・キレーション・副腎疲労等々の治療・メラトニンなどの睡眠導入剤の処方・副腎を改善する指圧?
これらを長い人は2年も実施したのに全く症状が改善されないのに受け続けていた方もいるようです(今もいるとは思いますが)。また、栄養療法のクリニックで出されるサプリメントは結構高価なものが多いようで、経済的にも大変という話をよく聞きます。
今まで見てきた個人的な経験から言わせてもらえば、栄養的な(サプリメントを使うような)療法で治療をしていくならもっと細かく見ていかないとよくなっていくことはないと思いますし、また栄養的な療法のみで症状を改善させていくのも無理だと思います。
また起立性障害(OD)の改善に副腎にアプローチするということをされている方もおられるようですが、話を聞くと疲れている副腎を無理やり働かそうとすることに終始しているようです。これではせっかく副腎が強くなったとしてもすぐにまた疲れてしまいます。正直片手落ちと言わざるを得ません。(この辺りは後で副腎疲労に関するページを作るので、そちらを見てみて見てください)
副腎の疲労は結果です。ブラック企業で働きづめで倒れた人のようなものです。この人にドリンク剤を飲ませてまた働かせますか?ただ副腎を刺激するような施術というのはそれと同じです。一時的によくなってもまたすぐ倒れるでしょう。結果を引き起こした原因を探してどうにかしない限りまた繰り返すのは道理というものです。
もう一つ。睡眠のリズムが良くないからメラトニン飲ませたり、セロトニンが足りないだろうからと言って抗うつ剤(SSRIなど)を飲ませたりしている人もいるようです。お医者様がしていることなので私がどうにかできる問題ではないのですが、個人的には反対します。
たいてい効果がないか症状を複雑化させるだけです。今まで見てきた起立性障害(OD)の睡眠の問題に関してもほぼ共通した問題があり(共通しない問題もありますが)、それに対してアプローチしない限り改善したとしてもかなり時間がかかってしまうと思います。
ではどのように起立性障害(OD)を改善させていくのか?
各個人によって違う・・・で話は終わってしまうのですが、あくまで当院ではこういう部分を見ていくという感じで見ていただけたらと思います。
睡眠の問題
まず見ていくのは「睡眠の状態・質の改善」です。多くの子に共通しているのが、「睡眠時ほぼ毎日夢を見る」もしくは「途中1~数回起きてしまう」ということです。睡眠時間は多く取っていても脳は全く休みが取れていないといっても過言ではありません。
メラトニン?飲んでもまず意味はないと思います。
問題を改善させるには今まで見てきた範囲でいうと、構造的には鼻の問題(正確にいえば鼻ではないのですが)・頭部の外傷の問題(強い弱いかかわらず)・脱水の問題(主に過去に熱中症のような状態になった)に対して必要なことを行っていかなければいけません。
また、栄養的な面でいえば興奮性の神経伝達物質の過剰や、過剰になったホルモンや神経伝達物質を分解できない状態にある場合が多いので、それらの問題を改善させないと寝つきが悪いという問題も改善されません。
朝が起きられないというのは結果としてそうなっているのであって、ただ無理やり起こそうとして起きられるわけがありません。
もちろんメンタル的な問題も関与しますが、メンタル的な問題に関しては後ほどまとめて書きたいと思います。
自律神経系の問題
自律神経系に問題が出ると大抵「頭痛」「腹痛」「めまい」「動悸」などの症状が現れます。これらは睡眠状態が良くなって来るとともに緩和はしてくるのですが、直接アプローチして個別に緩和させることも必要です。行うこととしては、
腹痛 | 迷走神経への直接的な施術を行うほか、腸粘膜障害を改善していく必要があります。多くの腸粘膜障害はカンジダ菌・寄生虫などがかかわっているため、サプリメントが必要になることが多いです。 |
頭痛 | 寝不足から起こっているものと、腸粘膜障害からくる毒素の影響で、解毒機能がオーバーフローしていても起こります。解毒機能が問題の場合必要な内臓へのアプローチやサプリメントを摂ることをお勧めします。 |
めまい | 構造的には頸椎の機能障害がある場合が多いです。また、自律神経系特に副交感神経の機能低下からくる小脳機能や前庭機能の低下で起こることも多いので、その辺を考えて施術していきます。また、潜在的な貧血の問題がある場合もあります。この場合はただ鉄剤をとっても良くなりません。 |
動悸 | 副交感神経系が機能低下しておこるものと、心臓周辺の組織(筋膜・胸膜など)が張ることによって、鼓動を強く感じているという場合もあります(太鼓の革を強く張ると軽くたたいても音が響きますよね?)。 |
このような感じです。
メンタル的な問題
メンタル的な問題があることは非常に多いです。ない場合のほうが少ないのですが、表面的には前向きで親も子供のことを尊重しているように見えても、それが間違った方向で表現されていて問題と感じられていない場合がほとんどです。ストレスの一例をあげていくと、
- 本心は学校に行きたくない(先生やクラスメートに対する感情)でもそれを親に言えない。
- 進路を親が決めていた。実はそこまでその学校に行きたくなかった。
- そこまで勉強をしたくない(この症状で勉強ができないんですとよく口にすることが多い)
- 親の過干渉・支配に近い状態(子供のすることに必ず口をはさむ)
- 他人の目(近所や学校関係者)がとても気になる(本人・親)
- 親が勧めるばかりで、本人の意思で行動させてもらえない
などなど。
直接的なストレスになる出来事がある場合は、心理的なセラピーを行いますが上記のような場合本人の気づきが必要になります。
また、親御さんのへのカウンセリングや施術が必要になる場合もあります。実際当院でよくなったお子さんのうち2組はお母さんが自分への施術の必要性に気づき施術を受けてから、お子さんの状態が急激によくなりました。
逆に当院へ1~2回で来なくなった方の数組は、親御さんへそういったことをお話ししたことも関係していると思います(実際怒ってしまった方もいますし、お話しした際のお母さんの表情などで)。
今までの子育てを否定されるような気持になってしまうのかもしれませんが、大抵子育てが問題なのではなく親御さんの成育歴や夫婦関係の問題なのでそういうことを振り返る必要があるということです。
もしご来院をお考えでしたら
「今日施術して、明日起きられるようにしてくれ」ということをご希望されるのであれば、ご来院はされないでください。よくあるのが学期末に近くなり、出席日数が足りずに進級・卒業ができないという状況で来院されるのですが、そういう焦りや崖っぷち感が改善には最も邪魔になります。
ある程度の期間(3週間に1度の来院で8ヶ月前後)をみていただけるのであれば、相応にお力になることはできます。初めての方向けのページをお読みになってからご予約をお取りください。
お問合わせや症状に対するご相談について
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