【起立性調節障害(OD)】脳機能の低下

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なぜ起立性調節障害では「スリープモード」から抜け出せないのか?

クレア治療院 院長の望月です。

去年末から今年始にかけて、また十数名の起立性調節障害のお子さんが、さいたま市、上尾市、桶川市、北本市などの埼玉県内や都内から来院されました。

「朝、どうしても起きられない」「声をかけても意識が遠く、起きても体がだるくてうごけない」というお子様の姿を前に、本人はジレンマを。保護者の方は焦りや不安を強く訴えられていました。

理解がない周囲(例えば父親)からは「怠けているだけではないか」「気合が足りない」といった心ない言葉をかけられることもあり、ご本人が深く傷ついているケースが少なくありません。

ですが、フィシオエナジェティックの知見からお伝えしたいのは、これは決して「本人のやる気」の問題ではないということです。

起立性調節障害の本態は、脳の機能的なエラーです。これを分かりやすく説明するために、現代の私たちに身近な「パソコンのスリープモード」に例えてお話ししましょう。

1. 脳が「スリープモード」のままフリーズしている状態

パソコンを使い終わった際、電源を切る代わりに「スリープモード」にすることがあります。次に使うとき、キーボードを叩けばすぐに画面が立ち上がり、作業を再開できる便利な機能です。

正常な状態の身体も、夜はスリープモードに入り、朝になると「起床」というコマンド(指令)によって、瞬時にフル稼働モードへと移行します。自律神経がアクセル(交感神経)に切り替わり、脳への血流を確保するために血管を締め、血圧を維持します。

しかし、起立性調節障害のお子様の脳内では、この「スリープモードから復帰するプロセス」で深刻なエラーが起きています。

朝、目が覚めた瞬間、脳は「起動せよ」という信号を送ります。しかし、OS(自律神経)がバグを起こしているため、いくらマウスを動かしても(声をかけたり体を揺らしたりしても)、マウスを動かしても、画面が真っ暗なままで画面が明るくなりません。

脳という精密なCPUは、血液や神経伝達物質という「電力(エネルギー)」が十分に供給されない限り、強制的にエネルギー消費を抑える「強制スリープ状態」を維持しようとします。これが、OD特有の「意識が朦朧として起き上がれない」状態の正体です。

2. なぜ「再起動」に失敗するのか? 4つのシステムエラー

フィシオエナジェティックでは、このシステムエラーの原因を「構造・化学・感情・情報」の4つの側面からみていきます。

パソコンが立ち上がらない原因が、本体の故障なのか、バッテリー不足なのか、ソフトウェアのバグなのかを切り分ける作業と同じです。

① 構造(ハードウェアの歪み):ケーブルの接触不良

脳と身体をつなぐ「配線」である神経や血管が、物理的に圧迫されている状態です。特に、頭蓋骨の底部にある「後頭骨」や「上部頸椎」に歪みがあると、脳幹(自律神経の中枢)への情報伝達がスムーズに行われません。 オステオパシーの視点では、このハードウェアの歪みを整えることで、接触不良を起こしていた「電源ケーブル」を正常な状態に戻します。

② 化学(バッテリーと電源):供給エネルギーの質

パソコンのバッテリーが劣化していたり、アダプターが断線しかかっていたりすれば、起動は不安定になります。 人体におけるバッテリーは、ミトコンドリアが生み出すエネルギーであり、それを支える栄養素(タンパク質、ビタミン、ミネラル)です。消化吸収機能が低下した状態で無理に栄養を詰め込んでも、それは「不適切な電圧」をかけるようなもので、逆に基盤(内臓)を痛める原因になります。

③ 感情(バックグラウンドで動く重いアプリ):リソースの枯渇
画面上には何も表示されていなくても、裏側で巨大なソフトウェアが動いていれば、パソコンの動作は極端に遅くなります。 過去の心理的トラウマ、学校でのストレス、家庭内の緊張といった「感情的ストレス」は、自律神経のリソース(資源)を大量に消費し続けます。脳が常に「見えない敵」と戦っているため、朝の起動に必要なエネルギーが残っていないのです。

④ 情報(OSのバグと電磁波):制御システムの混乱

生体エネルギーや情報伝達の乱れです。現代社会において、スマートフォンの電磁波やブルーライト、過剰な情報入力は、脳の繊細なスイッチングシステムを混乱させます。これにより、本来「オン」になるべき時間に「オフ」の信号が混ざり、システムがフリーズしてしまいます。

3. ARテストで見つける「フリーズの原因」

一般的な医療機関で行われる新起立試験などの検査は、あくまで「システムが動いていないこと(現象)」を確認するものです。しかし、「なぜ動かないのか」という個別の原因(バグの場所)までは特定できません。

当院が行うARテストは、身体に対して直接「どこにバグがあるのか?」を問いかけます。

  • 何かしらの構造的が制限が起動を妨げているのか?
  • 特定の重金属や毒素がシステムを汚染しているのか?
  • バックグラウンドで動いている未処理の感情が原因か?

これを特定することで、最短距離での「再起動」が可能になります。

4. 脳の「再起動」をサポートします

起立性調節障害のお子様は、怠けているのでも、甘えているのでもありません。「立ち上がりたいのに、脳のOSが立ち上がらない」という、極めてもどかしく苦しい状態にあります。

無理に叩き起こすことは、フリーズしているパソコンの電源ボタンを連打したり、無理やりコンセントを抜いたりするようなものです。それは、大切なハードウェア(脳や精神)に致命的なダメージを与えかねません。

必要なのは、適切な順序でのシステム復旧です。

オステオパシーの手技で、脳幹への血流を阻害する構造的な「詰まり」を解消します。

フィシオエナジェティックで、エネルギー供給(化学的側面)を妨げている要因を特定します。

自律神経の「設定値」を調整し、スリープモードからのスムーズな復帰を身体に再学習させます。

こうしたプロセスを経て、朝から元気に「おはよう」と言えるようになったお子様、笑顔で学校へ通えるようになったお子様が数多くいらっしゃいます。

お子様の症状が「どこへ行っても変わらない」と諦めないでください。どうか一人で悩まないでください。私たちの身体には、必ず「修復するためのプログラム」が備わっています。そのスイッチを正しく入れるお手伝いをさせてください。

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