起立性調節障害(OD)の原因の一つとしてよく言われているものに、「低血糖」があります。
これは、体内の血糖値が適切に維持できず、朝の倦怠感やめまい、集中力の低下を引き起こすメカニズムです。
「低血糖」と聞くと、つい「食事の量を減らしてコントロールすべきか」「特定の糖質を制限すべきか」と考えがちです。
しかし、ODによる低血糖のお子様に対し、安易に食事制限を行うことは、症状の改善を妨げ、むしろ悪循環を招く可能性が高いです。
なぜ、低血糖が原因なのに食事制限をしてはいけないのか。このブログでは、上尾・さいたまエリアで根本的な改善を目指す専門家として、その決定的な理由と正しいアプローチを解説します。
1. ODによる低血糖の正体は「エネルギー不足」ではない
多くの方が誤解していますが、ODによる低血糖は、単純な「カロリーの摂りすぎ」や「食事の質」だけが原因ではありません。問題の根本は、自律神経の不調による体内調整機能の破綻にあります。
ODのお子様の身体は、常に緊張状態(交感神経優位)にあり、ストレスによって副腎が疲弊しています。副腎は、血糖値を安定させるホルモン(コルチゾールなど)を分泌する重要な臓器です。
自律神経が乱れ、副腎や血糖値を調整する肝臓が正常に機能しないと、食事から摂った栄養を適切なタイミングでエネルギーとして利用したり、血糖値を維持したりすることができなくなります。
つまり、ODの低血糖は「食」の問題ではなく、「体の反応の制御」の問題であり、この状態で食事量を制限すると、制御システムを修復するための「原材料」が枯渇してしまうのです。
2. 食事制限が「起立性調節障害回復の機会」を奪う
ODの改善を目指すなら、食事制限は避けるべきです。低血糖対策として食事量を減らす行為が、回復を遠ざける具体的な理由は以下の3点です。
理由1:神経伝達物質の材料不足
自律神経を安定させ、ODの改善に不可欠な意欲や精神の安定を司る神経伝達物質(セロトニン、ドーパミン、ノルアドレナリンなど)は、タンパク質(アミノ酸)、鉄分、亜鉛、ビタミンB群といった栄養素を原料に作られています。
食事制限は、これらの必須栄養素の摂取量を必然的に減らします。その結果、神経伝達物質の合成が滞り、気分が落ち込む、無気力になる、夜間の睡眠の質が下がるなど、ODの精神的・肉体的症状を悪化させます。
理由2:慢性炎症の悪化と免疫力の低下
ODのお子様は、腸内環境が悪化し、慢性的な炎症を抱えているケースがほとんどです。体は炎症と戦うために常にエネルギーと栄養を大量に消費しています。
食事制限によってカロリーやタンパク質の摂取量が減ると、傷ついた腸壁を修復する材料や、免疫細胞を作る材料が不足します。炎症が長引き、免疫力が低下することで、さらに体力の消耗が激しくなり、朝起きるためのエネルギーを完全に失ってしまいます。
理由3:コルチゾール分泌の悪循環
食事量が極端に減ると、体はそれを飢餓状態(ストレス)と認識し、副腎からコルチゾールを緊急で分泌させます。
ODでは既に副腎が疲弊しているにもかかわらず、食事制限がさらなるコルチゾール分泌を促すため、副腎の疲弊は加速します。この悪循環こそが、血糖値の不安定さや朝の極度の倦怠感を長引かせる最大の要因の一つです。
起立性調節障害を根本改善するなら
ODの根本改善を目指すなら、必要なのは「制限」ではなく、「栄養を吸収し、適切に代謝できる身体」を取り戻すことです。
当院はフィシオエナジェティックで以下のような施術(例)でODの根本原因にアプローチします。
自律神経系の再起動(頭蓋仙骨療法): 疲弊した自律神経を調整し、消化器系を「リラックスモード」へ切り替えます。これにより、胃酸の分泌や腸の蠕動運動が改善し、栄養の吸収率が上がります。
内臓環境の整備(内臓マニピュレーション): 物理的に硬くなった肝臓や腸の緊張を解放し、解毒機能や消化機能をサポートします。
個別の栄養ストレス特定: 必要な栄養素を無闇に摂るのではなく、一人ひとりのお子様にとって「今、何が負担になっているか」「何が絶対に不足しているか」を正確に特定し、摂取の優先順位を決定します。
起立性調節障害の根本改善を目指す施術院をお探しでしたら、ぜひ当院にご相談ください。安易な食事制限から抜け出し、栄養が「毒」ではなく「力」になる身体を一緒に取り戻しましょう。
